体重減少
体重減少について
体重減少とは 6~12ヵ月間に 5%以上の体重減少があった場合,などと定義されています。
ダイエットは除きます。
ここでいう「体重減少」とは意図しない体重減少、病的な体重減少を指します。
食欲がなくて体重が急激に減ってきた、いつも通り食事しているのに勝手に体重が減ってくる、半年で体重が5%以上減少した、半年で5㎏も体重が減った、などの症状のある方は要注意です。
体重減少の主な原因
体重減少の原因は多岐にわたります。
ここでは主に消化器疾患を中心に取り上げてみました。
詳しくは各疾患の解説ページも用意しておりますので上記リンクをご参照ください。
以下は簡単な解説です。
一番重大、かつ怖いのはがんの存在です。
がん細胞は正常細胞よりも消費カロリーが多く、必然的にエネルギー不足から体重減少を引き起こしやすくなります。(余談ですが、医師国家試験でも「体重減少」はがんを示唆する重要なキーワードとして医学生に広く知られています)
特に日本人が罹るがんの多くは「消化器がん」です。
消化器がんには胃がん、大腸がん、膵(すい)がん、肝臓がん、胆管がんなどがあります。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍では腹痛や出血をイメージする方も多いのではないでしょうか。
消化管へのダメージによって食欲不振、体重減少も招くことがあります。
潰瘍はピロリ菌が原因になることがあります。
肝硬変や慢性膵炎などの慢性疾患でも体重減少が起こり得ます。
ただ、これらの疾患では体重減少以外にも多彩な症状が起きやすく、別の症状から診断されることも多いでしょう。
潰瘍性大腸炎やクローン病は消化管に激しい炎症を起こす疾患です。
下痢が主な症状となることも多く栄養の吸収不良などから体重減少を起こします。
その他、消化器疾患以外の例としては糖尿病や甲状腺機能亢進(こうしん)症などが挙げられます。
いずれにおきましても病気を探るためには医療機関への受診が必要になります。
自己判断は危険ですので避けましょう。
体重減少の検査
血液検査
血液検査には実に多彩な情報があります。
状態に応じて貧血、肝機能、腎機能、栄養状態、ミネラルバランス、ホルモン、血糖値など様々な項目を組み合わせて調べます。
的確な診断の強い味方となります。
胃カメラ
体重の原因となりうる胃がん、胃・十二指腸潰瘍は胃カメラを受ければ、診断することは比較的容易です。
これらの中でも胃がんは特に早期発見の意義が大きい疾患です。
こちらのページも参考にしてください。
当院では出来るかぎり検査のハードルを下げるべく、鎮静剤(眠る点滴)を用いた胃カメラを扱っております。
安心して検査をお受けください。
大腸カメラ
大腸カメラでは大腸がんや炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)を発見することが出来ます。
また、がん検診(便潜血検査)が陰性でも大腸がんが隠れていることは大いにありますので、その点もご注意ください。
こちらのページも参考にしてください。
当院では出来るかぎり検査のハードルを下げるべく、鎮静剤(眠る点滴)を用いた大腸カメラを扱っております。
安心して検査をお受けください。
超音波検査(エコー)
エコー検査では膵臓(すいぞう)、肝臓、胆のう・胆管、腎臓、甲状腺などを観察できます。
つまり膵(すい)がんや肝臓がん、肝硬変、胆管がん、腎臓病、甲状腺疾患などを発見することが出来ます。
お身体への負担はほとんどない検査ですので簡単に受けることが出来ます。
CT検査 *院内設備はございません
体重減少の検査として初めに行う検査としては過剰ですが、例えば体重減少を契機にがんが疑われた場合などに行われます。
特に膵臓(すいぞう)はエコー検査で全体が確認できるとも限らないためCTが利用される場合があります。
体重減少でお悩みの方はお気軽にご相談ください
意図しない体重減少は病気が隠れていることの多い重大な症状です。
特に思い当たるような原因もなく体重減少が続くような時には、決して放置してはいけません。
当院では出来る限りの正確な診断を重視しております。
正確な診断があったうえでの適切な治療です。
その根拠となるのが質の高い検査、診断体制です。
経験豊富な医師による患者さんの負担を最小限とした検査、さらには経験や知識からなる適切な診断を提供することを常に目指しております。
当院では、体重減少を原因不明で片付けず、可及的に原因究明を行い個々の患者さんに適した医療の提供を実践することをお約束します。
体重減少で不安を抱えている方、その他どんな方でも是非お気軽に院長、スタッフにご相談ください。