食欲不振
食欲不振について
食べていないにも関わらず食欲が湧いてこない、お腹が空かない、などの状態を言います。
少ししか食べていないのにすぐにお腹いっぱいになることも食欲不振の一つです。
通常、長い時間食事を摂らないと血糖値が下がります。
すると空っぽな胃が動き、脳が刺激されて「お腹がすいた」と感じます。
お腹がすいた時に「グー」とお腹が鳴るのは、胃が動く時の音です。
しかし、何らかの理由で食欲を感じにくくなっている状態を「食欲不振」といいます。
食欲不振は多くの人が経験する症状であり、その程度や期間には個人差があります。
多くの場合は一時的なもので、数日以内には食欲を感じるようになります。
数日以上にわたって食事の量が減り、食欲がない状態が続く場合は、身体や心の問題が背景にあるかもしれません。
食欲がなくなる原因は様々で、複数の原因が重なっていることもあります。
食欲不振の主な原因
- ストレス
- 不規則な生活
- 夏バテ
- 逆流性食道炎
- 慢性胃炎(萎縮性胃炎)
- 胃・十二指腸潰瘍
- がん(胃がん、大腸がん、膵(すい)がんなど)
- 過敏性腸症候群
- 機能性ディスペプシア
よくある原因としてはストレスなど心理的要因や不規則な生活、夏バテなどがあります。
これらであればご自身で思い当たることも多いのではないでしょうか。
一方で、当然のことながら病気が隠れていることもあります。
詳しくは各疾患の解説ページを用意しておりますので上記リンクをご参照ください。
以下は簡単な解説です。
逆流性食道炎は胃酸が食道に逆流して炎症が起きる疾患です。
胸やけが主な症状ですが食欲が低下することもあります。
慢性胃炎はピロリ菌が原因で発症します。
大人になってから急に発症するわけではなく多くは乳幼児期に感染し徐々に胃をむしばんでいきます。
無症状のことが多いですが食欲不振の原因になることがあります。
慢性胃炎は胃がんの重大な原因ともなります。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍では腹痛や出血をイメージする方も多いのではないでしょうか。
消化管へのダメージによって消化不良も起きますので食欲も低下します。
これもピロリ菌が原因になることがあります。
そして常に頭をよぎるのが(まさかがんが隠れてないよね・・・?)と言った不安です。
食欲不振が長引くものの精神的な原因も思い当たらない時には特にがんの心配はすべきと考えています。
特に食欲低下を起こしやすい「消化器がん」は日本人が罹るがんの多くを占めています。
消化器がんには胃がん、大腸がん、膵(すい)がん、肝臓がん、胆管がんなどがあります。
また検査で病気が見つからないときに考えるのが機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群です。
詳しくはそれぞれの解説ページをご覧ください。
いずれにおきましても病気を探るためには医療機関への受診が必要になります。自己判断は危険ですので避けましょう。
食欲不振の検査
胃カメラ
食欲不振の原因となる逆流性食道炎、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんは胃カメラを受ければ、診断することは比較的容易です。
これらの中でも胃がんは特に早期発見の意義が大きい疾患です。こちらのページも参考にしてください。
当院では出来るかぎり検査のハードルを下げるべく、鎮静剤(眠る点滴)を用いた胃カメラを扱っております。
安心して検査をお受けください。
大腸カメラ
大腸カメラでは大腸がんを発見することが出来ます。
逆に言いますと、大腸がんを発見するには大腸カメラが必須です。
また、がん検診(便潜血検査)が陰性でも大腸がんが隠れていることは大いにありますので、その点もご注意ください。
こちらのページも参考にしてください。
当院では出来るかぎり検査のハードルを下げるべく、鎮静剤(眠る点滴)を用いた大腸カメラを扱っております。
安心して検査をお受けください。
腹部超音波検査(エコー)
エコー検査では膵臓(すいぞう)、肝臓、胆のう・胆管などを観察します。
つまり膵(すい)がんや肝臓がん、胆管がんなどを発見することが出来ます。
お身体への負担はほとんどない検査ですので簡単に受けることが出来ます。
CT検査・MRI検査 *院内設備はございません
食欲不振の検査として初めに行う検査としては過剰ですが、例えば食欲不振を契機にがんが疑われた場合などに行われます。
特に膵臓(すいぞう)はエコー検査で全体が確認できるとも限らないためCTやMRI検査が利用される場合があります。
食欲不振でお悩みの方はお気軽にご相談ください
食欲不振はよく自覚する症状の一つですが、原因はストレスなどとは限らず、病気が隠れている場があります。
特に思い当たるような原因もなく食欲不振が続くような時には、決して放置してはいけません。
当院では出来る限りの正確な診断を重視しております。
正確な診断があったうえでの適切な治療です。
その根拠となるのが質の高い検査、診断体制です。
経験豊富な医師による患者さんの負担を最小限とした検査、さらには経験や知識からなる適切な診断を提供することを常に目指しております。
当院では、食欲不振をよくある症状などと安易に判断せず、個々の患者さんに適した医療の提供を実践することをお約束します。
食欲不振で不安を抱えている方、なんとなく心配していても検査が怖い方、どんな方でも是非お気軽に院長、スタッフにご相談ください。
参考
日本消化器病学会 消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医
日本肝臓学会 肝臓専門医
日本内科学会 総合内科専門医
日本消化管学会 胃腸科専門医
難病指定医
秋田大学出身
月間400件以上の内視鏡検査を行なう。
丁寧でわかりやすい医療の提供を志す。
人間ドックによる予防医療にも注力している。