黄だん
黄だん(おうだん)について
黄だんとは皮膚や白目が黄色くなることです。
肝臓でつくられた胆汁(たんじゅう)が血管の中に流れ込んだり、血液が壊れたりすることによって起こります。つまり黄だんの原因には胆汁の流れに異常がある場合と血液に異常がある場合があります。
どちらが原因の場合でも、血液の中のビリルビンという物質が増加して、これが皮膚や粘膜にたまることで、黄色くなります。ビリルビンは、赤血球の中にあるヘモグロビンからつくられる黄色い色素で、黄だんの原因になる物質です。
黄だんは速やかな診断、治療が必要となることが多い症状ですので気が付いたら早急に医療機関を受診しましょう。
黄だんの主な原因
- 急性肝炎
- 肝硬変
- 急性胆管(たんかん)炎、胆管(たんかん)がん
- 胆石症、急性胆のう炎、胆のうがん
- 膵(すい)がん
- 自己免疫性肝炎
- 原発性胆汁性胆管炎(げんぱつせい・たんじゅうせい・たんかんえん)
- 体質性黄だん
- 溶血性貧血
上で解説したように、黄だんの原因は大きく分けて二つあります。
一つ目は胆汁の流れのどこかに異常があるパターンです。これには急性肝炎・肝硬変・自己免疫性肝炎・原発性胆汁性胆管炎・体質性黄だんなどのように細胞レベル(目には見えないレベル)で胆汁の流れに異常が生じる場合と、急性胆管炎・胆管がん・胆石症・急性胆のう炎・胆のうがん・膵がんなどのように目に見えるレベルで物理的に胆汁の流れがせき止められる場合があります。
この中で一番多いのは実は体質性黄だんであり、実に人口の5%ほどもいると言われています。体質性黄だんは病的なものではなく治療は不要ですが、絶食時の血液検査でビリルビンが上昇しやすく、健診で異常を指摘されやすいものです。
もう一つは血液の異常(溶血性貧血)です。溶血と言って赤血球が何らかの原因で破壊されるとその中にあるヘモグロビンが分解されてビリルビンになります。赤血球が過剰に破壊されると代謝しきれなくなったビリルビンが皮膚などに沈着します。
黄だんの検査
- 血液検査
- 腹部超音波検査(エコー)
- CT検査
- MRI検査
血液検査
もっとも重要な検査です。専門の医師でも皮膚や白目を見ただけで正確に診断することは困難です。(非医療職の方なら尚更です)
ビリルビンや肝臓の数値が上昇していないか、肝炎などもチェックし診断に結び付けます。
腹部超音波検査(エコー)
エコー検査では膵臓(すいぞう)、肝臓、胆のう・胆管(たんかん)などを観察します。つまり膵(すい)がんや肝硬変、胆管がん、胆管炎、胆石症などを発見できる可能性があります。お身体への負担はほとんどない検査ですので簡単に受けることができ、非常に有用です。
CT検査・MRI検査
*院内設備はございません
肝臓や胆道(胆管と胆のうを合わせた表現)、膵(すい)臓の病気は血液検査とエコー検査だけでは診断しきれないこともあり、CT検査やMRI検査がよく用いられます。特に原因が胆石なのかがんなのか、がんならその範囲はどこからどこまでなのか、などの精密検査が可能です。