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9月は「がん征圧月間」:胃がん・大腸がんの早期発見と内視鏡検査の重要性

[2026.09.04]

毎年9月は、がん予防や早期発見の重要性を啓発する「がん征圧月間」です。日本人の生涯でがんに罹患する確率は約2人に1人と言われており、がんは身近な病気の一つです。

中でも「胃がん」と「大腸がん」は、日本人に非常に多いがんとして知られています。しかし、消化器のがんは早期に発見できれば治癒を目指せるケースが非常に多い病気でもあります。今回は、9月のがん征圧月間にちなみ、胃がん・大腸がんのリスクや早期発見のカギとなる内視鏡検査について詳しく解説します。

日本人の罹患数が高い「胃がん」と「大腸がん」

胃がん・大腸がんは、国内のがん罹患数・死亡数の上位を常に占めています。特に大腸がんは食生活の欧米化などに伴い増加傾向にあり、女性のがん死亡原因の第1位、男性でも上位となっています。

  • 胃がん:かつてに比べて死亡数は減少傾向にあるものの、依然として多くの患者様が診断されています。ピロリ菌感染や加齢、塩分の取りすぎ、喫煙などが主なリスク要因です。

  • 大腸がん:早期段階では自覚症状がほとんどありません。進行すると血便や下痢・便秘の不規則化、腹痛などが現れますが、症状が出た頃にはすでに進行していることも少なくありません。

いずれのがんも、「初期段階では自覚症状がほぼない」という共通点があります。そのため、体調に変化を感じてから受診するのではなく、定期的なチェックを行うことが命を守るポイントとなります。

なぜ「早期発見」がそれほど重要なのか?

がん治療において、発見される「ステージ(病期)」は経過を大きく左右します。

消化器(胃・大腸)の粘膜表面にとどまっている早期がんであれば、お腹を切る手術を行わずに、内視鏡(内視鏡的粘膜下層剥離術:ESDなど)によって身体への負担を少なく切除することが可能です。この段階で治療できれば、日常生活への復帰も非常にスムーズであり、5年生存率も90%以上と極めて高い成績が得られます。

一方で、がんが深部まで侵入したり他臓器へ転移したりすると、外科手術や抗がん剤治療が必要となり、身体的・精神的・経済的な負担が大きくなります。「症状がないから大丈夫」と思わずに、定期的に検査を受けることこそが、最大のがん対策です。

早期発見のための最適解「内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)」

胃がん・大腸がんを早期に見つけるために、最も精度が高く確実な方法が「内視鏡検査」です。

1. 胃カメラ(上部消化器内視鏡検査)

胃カメラは、口や鼻から細いカメラを挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察する検査です。 バリウム検査(胃X線検査)では発見が難しい小さな病変や、平坦な早期がんも直接目で見て確認できます。必要に応じてその場で組織を採取(生検)し、悪性かどうかを確定診断できる強みがあります。

2. 大腸カメラ(下部消化器内視鏡検査)

大腸カメラは、肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体の粘膜を観察する検査です。 大腸がんの多くは「大腸ポリープ(腺腫)」が時間の経過とともに大きくなり、がん化することで発生します。大腸カメラでは、がんの前段階であるポリープを発見した際、その場で切除・日帰り手術(※条件による)を行うことが可能です。つまり、検査を受けること自体が大腸がんの「予防」に直結します。

「苦しい・痛い」のイメージを変える最新の内視鏡検査

「内視鏡検査は苦しそう」「痛いのが怖くて受診をためらっている」という方は少なくありません。しかし、現代の内視鏡医療は大きく進化しています。

  • 鎮静剤(麻酔)の使用:うとうとと眠っているような状態で検査を受けられるため、痛みや吐き気を大幅に軽減できます。

  • 極細カメラ・拡大内視鏡:身体への負担を減らしつつ、高精度な観察が可能です。

  • 炭酸ガス(CO2)の利用:大腸検査時にお腹の張りを低減するため、検査後の不快感が大幅に抑えられます。

当院でも、患者様が安心して受けていただけるよう、苦痛の少ない丁寧な内視鏡検査を実施しています。

受診をおすすめする方(セルフチェック)

以下の項目に一つでも当てはまる方は、一度内視鏡検査をご検討ください。

  1. 40歳以上の方(がんの発症リスクが高まる年代です)

  2. 健診の「ピロリ菌検査」で陽性と言われたことがある方

  3. 便潜血反応検査で「陽性」と判定された方(再検査を放置しないでください)

  4. ご家族に胃がんや大腸がん・大腸ポリープを経験された方がいる方

  5. 胃の不快感、胸やけ、慢性的な腹痛、便通異常(下痢と便秘の繰り返しなど)がある方

9月をきっかけに、ご自身とご家族の健康を守る第一歩を

がんは決して遠い存在ではなく、誰もがかかる可能性のある病気です。しかし、「早期発見・早期治療」ができれば恐れる心配のない病気になりつつあります。

「最近検査を受けていない」「気になっている症状がある」という方は、ぜひこの「がん征圧月間」をきっかけに、一度クリニックへご相談ください。受診の第一歩が、あなたと大切なご家族の未来を守ることにつながります。

この記事を執筆した人
金沢憲由

日本消化器病学会 消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医
日本肝臓学会 肝臓専門医
日本内科学会 総合内科専門医
難病指定医
秋田大学出身
月間400件以上の内視鏡検査を行なう。 丁寧でわかりやすい医療の提供を志す。 人間ドックによる予防医療にも注力している。

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