喘息
どんな病気?
- 喘息では、ベースとして気管支に慢性的な炎症が起こっています。
- 普段は無症状でも、何かのきっかけで発作的に気管支が狭くなり、咳や呼吸困難などが出現することが特徴の病気です。
原因は?
- 遺伝的要因
- 世界中で研究されておりこれまでに関連する遺伝子がいくつも報告されています。
- 環境要因
- アレルゲン(アレルギー原因物質)
- ウイルス感染
- タバコの煙
- 大気汚染 など
- これらの遺伝的要因と環境要因が複雑に影響しあうことで発症すると言われています。
- 特にアレルギー反応やウイルス感染が密接に関連していると言われています。
- アレルギー性鼻炎とも密接に関連しており、アレルギー性鼻炎患者さんの約3割に喘息が合併しているとのデータもあります。
症状は?
- 発作性の呼吸困難
- 胸の苦しさ
- ヒューヒュー、ゼーゼーといった特徴的な呼吸音。喘鳴(ぜんめい)
- 繰り返す咳 など
- 発作が大きくなると苦しくて歩けなかったり、会話も出来ない、最終的には意識まで失い命を落とすこともあります。実際に毎年1000人以上の方が亡くなっています。
どんな検査があるの?
胸部レントゲン検査
- 肺炎など、他の病気が隠れていないか調べます。
血液検査
- 好酸球・・・アレルギーがあると数値が上昇します。
- 総IgE・・・IgEとは体内でアレルギー反応が起こる際に出現してくるタンパク質です。これが高いとアレルギー体質の可能性がありますが喘息以外の病気でも上昇していることがあります。
- アレルゲン検査・・・花粉、ダニ、ハウスダストなどの具体的なアレルゲンを探ります。
呼吸機能検査(当院では扱っておりません)
- 肺活量を調べたりする検査です。
- 喘息で気管支が狭くなっている方は特徴的なグラフの形になります。
喀痰検査(当院では扱っておりません)
- 痰を出して顕微鏡で調べます。
- 喘息ではアレルギーに関連している好酸球が増えていることがあります。
呼気NO(一酸化窒素)検査(当院では扱っておりません)
- 喘息では数値が高くなります。
治療は?
- 吸入ステロイド薬が基本になります。
- 次のステップとして吸入ステロイドと気管支拡張薬の合剤などを用います。
- それでも治療が上手くいかない場合、初めから症状が重い場合は専門の医療機関での治療が必要になります。
参考
喘息予防・管理ガイドライン2021、アレルギー総合ガイドライン2019
この記事を執筆した人
金沢憲由
日本消化器病学会 消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医
日本肝臓学会 肝臓専門医
日本内科学会 総合内科専門医
日本消化管学会 胃腸科専門医
難病指定医
秋田大学出身
月間400件以上の内視鏡検査を行なう。
丁寧でわかりやすい医療の提供を志す。
人間ドックによる予防医療にも注力している。