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糖尿病(DM)

どんな病気?

  • 血糖値を下げるホルモン「インスリン」の作用が不足して慢性的に高血糖となる病気です。
  • ある程度以上に血糖値が上がると尿に糖が出てくることから「糖尿病」と言います。
  • ちなみに英語ではdiabetes(尿が常に出る) mellitus(蜂蜜のように甘い)→蜂蜜のように甘い尿が常に出る、という意味で「diabetes mellitus, DM」と言います。
  • 慢性的に高血糖が持続することによって細かな血管に障害が起き、様々な合併症を引き起こします。

 

原因は?

自己免疫性

膵臓(すいぞう)内にあるインスリンを分泌する細胞を誤って攻撃する自己免疫が原因になることがあります。 このタイプは1型糖尿病と呼ばれます。 ちなみに1型糖尿病には原因不明のものも含まれています。

小児~思春期に発症することが多のですが、中年でも発症することがあります。 肥満とは関係ありません。

遺伝的要因+生活習慣

一般的に世間で言われる糖尿病です。2型糖尿病と呼ばれます。
インスリン分泌の低下などをもたらす複数の遺伝的要因に、食べ過ぎ・運動不足などの生活習慣が加わることで発症します。
家族、血縁者にも糖尿病患者さんがいる傾向があります。 40歳以上に多のですが若年発症も増えてきています。

他の疾患や薬剤副作用などに伴うもの

一部の腫瘍で血糖値を上昇させるホルモンが異常に分泌されたり、ステロイド治療の副作用で血糖値が上昇することなどが原因となって糖尿病を発症することがあります。

妊娠

妊娠に伴う身体の変化によって、体内から分泌されるインスリンの効果が弱まる傾向があることが分かっています。 このことから母体は血糖値が高くなりやすい環境にあり、糖尿病を発症することがあります。

症状は?

  • のどの渇き
  • 多飲
  • 多尿
  • 体重減少

糖尿病の典型的な症状は以上の4つになります。
血糖値が高いと尿から糖が漏れていきます。(正常時には糖は漏れません。)
尿に糖が混じると、それに引き付けられた必要以上の水分が尿として出ていきます。 つまり多尿になります。 多尿になると脱水状態となるため、のどが渇き、自然と水分をたくさん飲む(多飲になる)のです。
また糖尿病では摂取したエネルギーが体に取り込まれにくくなります。 こうして不足したエネルギーは筋肉や脂肪を分解して補います。 そのため、痩せて体重が減少することがあります。

合併症とは?

糖尿病の合併症は大きく急性期合併症と慢性期合併症とに分けられます。 以下にそれぞれの合併症について簡単に解説します。

急性期合併症

①糖尿病性ケトアシドーシス

極度のインスリン不足などが原因となって血液が酸性(アシドーシス)に傾く状態です。 意識障害を起こし、重症の場合には昏睡、死に至ることもあります。 30歳以下の若年者に起こることが多いとされています。

②高浸透圧性高血糖状態

糖尿病性ケトアシドーシスよりも著しい高血糖と、脱水が原因となって血液の浸透圧が上昇した状態です。 こちらも意識障害を起こし、重症の場合には昏睡、死に至ることもあります。 高齢の2型糖尿病患者さんに起こることが多いとされています。

③感染症

糖尿病患者さんは感染症に罹りやすいことが分かっています。 特に手術を受ける際には十分な感染症対策をする必要があります。

慢性期合併症(網膜症、腎症、神経障害が3大合併症と言われます)

①網膜症

網膜の血管障害や出血などを起こし、末期には失明に至ります。

②腎症

初めはわずかなタンパク尿が出るのみですが、放置してその量が増えると全身のむくみ、心不全なども起こり最終的には透析が必要になります。 実は透析の原因の第一位が糖尿病腎症です。

③神経障害

主に両足の神経が侵され、「しびれ」や、「熱さ」「冷たさ」「痛さ」などの感覚の低下が起こります。 足の怪我に気づかず治療が遅れ、切断を余儀なくされる場合もあります。

どんな検査があるの?

  • 血糖検査
  • 身体検査
  • 尿検査

血糖検査

  1. 早朝空腹時血糖値126mg/dL以上
  2. 75g経口ブドウ糖負荷試験で2時間値200mg/dL以上
  3. 随時血糖値*200mg/dL以上 *食事と採血時間との時間関係を問わずに測定した血糖値。
  4. HbA1cが6.5%以上

①~④のいずれかが確認されたら「糖尿病型」と判定します。 別の日に行った検査でもう一度いずれかが確認されたら「糖尿病」と診断できます。(ただし④のみで2回連続確認した場合のみ診断は不可とされています。) また血糖値とHbA1cを同時測定していずれも糖尿病型であった場合も糖尿病と診断することが出来ます。

身体検査

慢性期合併症でも解説した通り、糖尿病では網膜症や神経障害を合併することがあります。神経反射の確認や、眼底検査などを行う必要があります。

尿検査

逃さないようにチェックします。 進行した状態ではタンパク尿が増加します。

治療は?

  1. 食事療法
  2. 運動療法
  3. 薬物療法

①食事療法

目安とするエネルギー摂取量があります。 おおまかに男性では1600~2000kcal、女性では1400~1800kcal程度になります。 そのうち40~60%が炭水化物、蛋白質は20%まで、残りを脂質とします。 脂質のうち、飽和脂肪酸の摂りすぎには注意しましょう。

食物繊維は1日20g以上摂取するよう心がけます。 食物繊維は高血糖を抑制し、コレステロールの増加を防ぎ、便通を改善する作用があります。 目標体重は65歳未満で身長(m)×身長(m)×22、65歳以上で身長(m)×身長(m)×22~25とされています。

②運動療法

運動には有酸素運動とレジスタンス運動があります。 有酸素運動は歩行やジョギングなどが含まれます。 レジスタンス運動とはいわゆる筋トレであり、腹筋や腕立て伏せなどに代表されるような運動のことを指します。 少なくとも週に3~5回の有酸素運動を数十分行います。 合わせて週2、3回のレジスタンス運動を同時に行うことが推奨されています。 歩行運動では一日1万歩が目安です。

③薬物療法

食事療法・運動療法を2~3カ月続けても血糖コントロール目標が達成できない場合には薬物療法を検討します。
内服薬としてはビグアナイド薬、チアゾリジン薬、DPP-4阻害薬、スルホニル尿素(SU)薬、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、SGLT2阻害薬など、様々な作用メカニズムの薬剤が存在します。
注射薬としてはインスリン製剤、GLP-1受容体作動薬(内服薬もあり)があります。
患者さんの年齢、糖尿病の程度、合併症などを考慮して個別に薬剤を選択することになります。

一般的には内服薬を少量から開始して血糖値などをチェックしつつ増量していきます。 これでも治療目標を達成できない場合には作用メカニズムの異なる薬剤を追加します。

参考

糖尿病治療ガイド2020-2021

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