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AGA治療薬の詳細解説 フィナステリド錠、デュタステリド錠、ミノキシジル5%外用液

この度は、当クリニックのホームページをご覧いただき誠にありがとうございます。男性型脱毛症(AGA)は、多くの男性が抱えるお悩みであり、適切な治療によって進行を抑制し、改善を期待できる疾患です。当クリニックでは、AGA治療薬として「フィナステリド錠」「デュタステリド錠」「ミノキシジル5%外用液」を処方しております。本稿では、それぞれの薬剤について、その作用機序、効果、副作用、注意点などを詳しく解説いたします。

はじめに:男性型脱毛症(AGA)とは?

男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia: AGA)は、思春期以降に発症する進行性の脱毛症で、前頭部や頭頂部の髪が薄くなり、最終的には地肌が透けて見えるようになるのが特徴です。AGAの主な原因は、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、5αリダクターゼという酵素によって「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されることです。このDHTが毛乳頭細胞に存在する男性ホルモン受容体と結合することで、毛母細胞の働きを抑制し、髪の成長期を短縮させ、細く短い毛髪が増える「軟毛化」を引き起こします。最終的には毛包が萎縮し、髪の毛がほとんど生えてこなくなります。

AGAの進行度合いは、ハミルトン・ノーウッド分類などが用いられ、一般的に進行性の疾患であるため、早期からの治療が推奨されます。

1.フィナステリド錠(先発品:プロペシア)

1.1 作用機序

フィナステリドは、5αリダクターゼという酵素の働きを阻害することで、テストステロンからDHTへの変換を抑制します。具体的には、5αリダクターゼのII型を主に阻害します。DHTの産生が減少することで、毛乳頭細胞へのDHTの作用が弱まり、毛周期の正常化を促し、毛髪の軟毛化を抑制し、太く健康な髪の成長をサポートします。

1.2 効果

フィナステリドの主な効果は、AGAの進行抑制です。臨床試験では、継続的な服用により、約8割の患者で抜け毛の減少や毛髪の維持、あるいは改善効果が認められています。特に、既存の毛髪の維持や細くなった毛髪の太さの改善に効果が期待できます。発毛効果については個人差がありますが、一部の患者では新たな発毛も認められています。効果を実感するまでには、通常3ヶ月から6ヶ月程度の継続的な服用が必要です。

1.3 服用方法

通常、1日1回1錠を服用します。食前、食後どちらでも構いませんが、毎日決まった時間に服用することで飲み忘れを防ぎ、安定した血中濃度を保つことができます。

1.4 副作用

比較的安全性の高い薬剤ですが、稀に以下のような副作用が報告されています。

  • 性機能に関する副作用: リビドー減退(性欲の低下)、勃起不全、射精障害などが報告されています。これらの副作用は服用を中止することで回復することがほとんどですが、症状が続く場合は医師にご相談ください。発現頻度は1%未満とされています。
  • 肝機能障害: 非常に稀ですが、肝機能値の異常が報告されています。定期的な血液検査で肝機能の状態を確認することがあります。
  • 初期脱毛: 服用開始後、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起こることがあります。これは、軟毛化した髪が抜け落ち、新しい健康な髪が生え始める過程で生じる現象であり、効果が出始める兆候と考えられます。通常、数週間から2ヶ月程度で治まります。
  • その他の副作用: 蕁麻疹、かゆみなどの過敏症、乳房の圧痛、乳房肥大などが報告されています。

1.5 注意点

  • 女性や小児の服用は禁忌です。 特に妊娠中の女性がフィナステリドに触れると、胎児に影響を及ぼす可能性があります。薬剤はコーティングされているため、通常触れても問題ありませんが、割れたり砕けたりした薬剤には直接触れないでください。
  • 献血はできません。 フィナステリド服用中は献血ができません。献血を行う場合は、服用中止後1ヶ月以上経過している必要があります。
  • 前立腺がんの検査に影響を与える可能性があります。 フィナステリドは、PSA(前立腺特異抗原)値を低下させる作用があります。前立腺がんの早期発見に用いられるPSA検査を受ける際は、必ず医師にフィナステリドを服用していることをお伝えください。
  • 効果の持続には継続的な服用が必要です。 服用を中止すると、再びAGAの進行が始まります。

2.デュタステリド錠(先発品:ザガーロ

2.1 作用機序

デュタステリドもフィナステリドと同様に、5αリダクターゼの働きを阻害することでDHTの産生を抑制します。フィナステリドが主に5αリダクターゼのII型を阻害するのに対し、デュタステリドは5αリダクターゼのI型とII型の両方を阻害する特徴があります。これにより、フィナステリドよりも強力にDHTの産生を抑制できると考えられています。

2.2 効果

デュタステリドは、フィナステリドよりも強力にDHTを抑制するため、より高い発毛効果や進行抑制効果が期待できるとされています。臨床試験では、フィナステリドよりも毛髪数の増加が認められたという報告もあります。特に、進行したAGAの方や、フィナステリドで十分な効果が得られなかった方に推奨されることがあります。効果を実感するまでには、フィナステリドと同様に3ヶ月から6ヶ月程度の継続的な服用が必要です。

2.3 服用方法

通常、1日1回1カプセルを服用します。食前、食後どちらでも構いませんが、毎日決まった時間に服用することで飲み忘れを防ぎ、安定した血中濃度を保つことができます。

2.4 副作用

デュタステリドの副作用は、フィナステリドと類似していますが、DHTをより強力に抑制するため、性機能に関する副作用の発現率が若干高い可能性があります。

  • 性機能に関する副作用: リビドー減退、勃起不全、射精障害などが報告されています。発現頻度はフィナステリドよりもやや高い傾向が見られます。
  • 肝機能障害: 非常に稀ですが、肝機能値の異常が報告されています。
  • 初期脱毛: フィナステリドと同様に、服用開始後に初期脱毛が起こることがあります。
  • その他の副作用: 蕁麻疹、かゆみなどの過敏症、乳房の圧痛、乳房肥大などが報告されています。

2.5 注意点

  • 女性や小児の服用は禁忌です。 特に妊娠中の女性がデュタステリドに触れると、胎児に影響を及ぼす可能性があります。薬剤はカプセルに封入されているため、通常触れても問題ありませんが、カプセルが破損した場合には直接触れないでください。
  • 献血はできません。 デュタステリド服用中は献血ができません。デュタステリドは体内に長くとどまるため、献血を行う場合は服用中止後6ヶ月以上経過している必要があります。
  • 前立腺がんの検査に影響を与える可能性があります。 デュタステリドもフィナステリドと同様にPSA値を低下させる作用があります。PSA検査を受ける際は、必ず医師にデュタステリドを服用していることをお伝えください。
  • 効果の持続には継続的な服用が必要です。 服用を中止すると、再びAGAの進行が始まります。

3.ミノキシジル5%外用液

3.1 作用機序

ミノキシジルは、もともと高血圧の治療薬として開発された経緯があり、その副作用として多毛が認められたことから、AGA治療薬として応用されるようになりました。ミノキシジルの正確な作用機序は完全に解明されていませんが、以下のメカニズムが関与していると考えられています。

  • 毛包への血流改善: 頭皮の血管を拡張させ、毛包への血流を増加させることで、毛乳頭細胞や毛母細胞への栄養供給を促進します。
  • 毛母細胞の活性化: 毛母細胞の増殖を促進し、毛髪の成長期を延長させる作用があると考えられています。
  • アデノシンを介した作用: 毛乳頭細胞から分泌されるアデノシンという物質の産生を促進し、これが毛髪の成長を促進する働きがあると考えられています。

ミノキシジルは、DHTの産生を抑制する作用はないため、フィナステリドやデュタステリドとは異なるアプローチでAGAに作用します。

3.2 効果

ミノキシジル5%外用液は、主に発毛促進効果が期待できます。特に、頭頂部や側頭部の薄毛に効果が認められることが多いです。臨床試験では、軟毛の硬毛化や新たな発毛が報告されており、フィナステリドやデュタステリドと併用することで、より高い効果が期待できます。効果を実感するまでには、通常4ヶ月から6ヶ月程度の継続的な使用が必要です。

3.3 使用方法

1日2回(朝と晩)、脱毛している頭皮に直接塗布します。1回の塗布量は1mLが目安です。塗布後は、頭皮に液剤が吸収されるまでマッサージするように馴染ませてください。塗布後は、しっかりと手を洗ってください。

3.4 副作用

ミノキシジル外用液の主な副作用は、塗布部位の皮膚症状です。

  • 頭皮のかゆみ、かぶれ、フケ: 塗布部位の皮膚刺激による症状が最も一般的です。
  • 赤み、湿疹: アレルギー反応として生じることがあります。
  • 多毛症: 薬剤が他の部位に付着することで、顔や体毛が濃くなることがあります。
  • 初期脱毛: 塗布開始後、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起こることがあります。これは、既存の休止期の毛髪が抜け落ち、新しい健康な毛髪が生え始める過程で生じる現象であり、効果が出始める兆候と考えられます。通常、数週間から2ヶ月程度で治まります。
  • ごく稀な全身性の副作用: 動悸、めまい、胸痛などが報告されていますが、外用薬であるため経口薬に比べて非常に稀です。

3.5 注意点

  • 女性も使用可能です。 ただし、濃度や用量については医師の指示に従ってください。
  • 頭皮に傷や炎症がある場合は使用しないでください。 症状が悪化する可能性があります。
  • 高血圧や心疾患をお持ちの方は、必ず医師にご相談ください。 全身性の副作用のリスクが高まる可能性があります。
  • 効果の持続には継続的な使用が必要です。 使用を中止すると、再びAGAの進行が始まります。
  • アルコールを含んでいるため、火気に注意してください。

4.AGA治療の進め方と併用療法

AGA治療は、単一の薬剤に頼るだけでなく、患者様の状態やご希望に合わせて最適な治療計画を立てることが重要です。

  • フィナステリド/デュタステリド(内服薬): AGAの進行抑制が主目的。根本的な原因であるDHTの産生を抑制します。
  • ミノキシジル外用液(外用薬): 発毛促進が主目的。毛母細胞の活性化や血流改善を促します。

多くの患者様において、フィナステリドまたはデュタステリドの内服薬とミノキシジル外用液を併用することで、より高い効果が期待できます。内服薬でAGAの進行を抑制しつつ、外用薬で発毛を促進することで、相乗効果が期待できます。

フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルの費用と効能比較

項目

フィナステリド錠

デュタステリド錠

ミノキシジル5%外用液

主な作用

5αリダクターゼII型阻害によるDHT抑制(進行抑制)

5αリダクターゼI型・II型阻害によるDHT抑制(進行抑制)

毛包への血流改善、毛母細胞活性化(発毛促進)

強さ

中程度

強力

中程度〜強力

服用/使用頻度

1日1回経口服用

1日1回経口服用

1日2回頭皮に塗布

効果発現

3〜6ヶ月

3〜6ヶ月

4〜6ヶ月

主な副作用

性機能障害、肝機能障害、初期脱毛

性機能障害、肝機能障害、初期脱毛

頭皮のかゆみ・かぶれ、初期脱毛、多毛症

女性・小児

禁忌

禁忌

医師の指示のもと使用可能(濃度注意)

献血制限

1ヶ月

6ヶ月

なし

費用

¥5,500

¥6,600

¥5,500

5.治療を受ける上での注意点と当クリニックのサポート体制

5.1 継続的な治療の重要性

AGA治療は、継続が非常に重要です。薬剤の効果を実感するまでには時間がかかり、効果が現れた後も服用・使用を中止すると、再び脱毛が進行してしまいます。当クリニックでは、患者様が安心して治療を継続できるよう、定期的な診察とカウンセリングを行い、疑問点や不安を解消しながらサポートさせていただきます。

5.2 医師との相談

AGA治療薬は、医師の診察と処方に基づき使用される医療用医薬品です。自己判断での服用や使用は避け、必ず医師の指示に従ってください。当クリニックでは、患者様一人ひとりの状態を丁寧に診察し、既往歴や服用中の薬剤などを確認した上で、最適な治療薬と用量を決定します。副作用についても詳しくご説明し、ご不安な点があれば何でもご相談ください。

5.3 生活習慣の改善

AGA治療薬の効果を最大限に引き出すためには、生活習慣の改善も大切です。バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレスの軽減などは、頭皮環境を整え、健康な髪の成長をサポートします。当クリニックでは、これらの生活習慣に関するアドバイスも行っております。

5.4 プライバシーへの配慮

当クリニックでは、患者様のプライバシーに最大限配慮し、安心してご来院いただける環境を整えております。AGAに関するお悩みはデリケートな問題ですので、ご相談内容が外部に漏れることはございません。

まとめ

男性型脱毛症(AGA)は、進行性の疾患ですが、適切な治療によって進行を抑制し、改善が期待できる時代になりました。当クリニックでは、「フィナステリド錠」「デュタステリド錠」「ミノキシジル5%外用液」という、科学的根拠に基づいたAGA治療薬を処方し、患者様一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドの治療を提供しております。

AGAは放置すれば進行する一方ですが、早期に治療を開始することで、より良い効果が期待できます。少しでも薄毛が気になる、抜け毛が増えたと感じる方は、お一人で悩まず、ぜひ当クリニックにご相談ください。経験豊富な医師が、親身になってお話を伺い、最善の治療法をご提案いたします。

当クリニックでは、患者様の髪の健康と自信を取り戻すお手伝いをさせていただきます。ご不明な点やご予約については、お気軽にお問い合わせください。

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