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胃・十二指腸潰瘍

どんな病気?

  • 潰瘍とは粘膜が傷つき、削れた状態になることを指します。
  • 胃酸にさらされる影響によって胃や十二指腸に起こりやすい病気です。
  • 胃潰瘍は60〜70代、十二指腸潰瘍はもう少し若い世代(50〜60代)に起こりやすいです。
  • 胃潰瘍では男女の違いはほとんど見られませんが、十二指腸潰瘍では男性の方が2倍弱程度多いとされています。
  • 胃・十二指腸潰瘍で亡くなった人数は1970年には7997人でしたが、1990年には3615人、2017年には2513人と減少傾向です。

原因は?

ヘリコバクターピロリ菌とNSAIDs(いわゆる痛み止め)が2大要因とされています。しかし、現在では衛生環境の改善とピロリ除菌治療の普及のため、ピロリ菌が原因となる頻度は減少してきています。一方でロキソニンなどの痛み止め(NSAIDs)の頻度は上昇しているようです。
またアスピリンが原因の潰瘍も増加傾向です。アスピリンはいわゆる「血液をサラサラにする薬」であり、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞予防などの血管の病気に広く使用されており内服する患者さん自体が増加しています。
特発性潰瘍は、上にあげた3つの原因では説明の付かない潰瘍のことを言います(医学の世界では原因が特定できないものを「特発性」と呼びます)。実際にはクローン病や好酸球性胃腸症、ストレス、感染など、原因が判明する場合があります。

症状は?

  • 吐血、下血(黒色便)
  • 貧血
  • (貧血による)めまい、むくみ、動悸
  • みぞおちの痛み
  • 胃もたれ
  • 胸焼け
  • 吐き気、嘔吐
  • 食欲不振など

上記のように色々な症状を起こします。時には自覚症状を全く認めない患者さんもいますが、よくお話を聞くと少し前から炭のように黒い便が出ていたことが分かることもあります。血液は胃酸の影響で酸化して鉄分が錆びることで、真っ黒い便(黒色便)として出てくるのです。吐血をしたら病院を受診しない方はほとんどいないと思いますが、黒色便も吐血と全く同じような意味合いがありますので十分にご注意ください。
意外なところではめまいの原因が貧血だった、なんてこともあります。

どんな検査があるの?

上述のような症状があれば潰瘍を疑い、胃カメラで本当に潰瘍があるか調べます。吐血・下血の症状があるときは病院の救急外来などでは造影CT検査を行い、出血源を調べてから胃カメラを行う場合があります。同時に貧血がないか調べるためには血液検査も行われます。
加えて、ほかに腹痛などの症状を起こす病気が隠れていないか調べる目的で、腹部超音波(エコー)検査などを行う場合もあります。
また、原因の多くを占めるピロリ菌に感染していないか調べておくことも有用です。

治療は?

  • 胃酸分泌抑制薬
  • 原因薬剤(NSAIDsなど)の中止
  • ピロリ除菌
  • 内視鏡治療
  • カテーテル治療
  • 手術

「ネキシウム」や「タケキャブ」などの胃酸分泌抑制薬を内服することで潰瘍治癒を促進します。
加えて「ロキソニン」などの痛み止め(NSAIDs)が原因であれば可能な限り中止したり、少しでも胃にやさしいタイプの痛み止めに変更することを検討します。
また、ピロリ菌が原因の場合は、除菌治療をした方がより治りが早いと言われています。
以上のような治療は当院のようなクリニックでも可能な治療になります。ほとんどの潰瘍は2か月以内に治癒します。
と、ここまではゆっくり治療できる場合ですが、もちろんビュービュー出血している状況ではその限りではありません。内視鏡で出血を確認したら内視鏡専用の鉗子(かんし)を使ってその場で止血を行います。現在では内視鏡医の技術も、専用器具の性能も上がっているため内視鏡で止血できないことはほとんどありません。それでも内視鏡で止血困難な場合にはカテーテル治療や手術が選択されます。
カテーテル治療は動脈に直接カテーテルを挿入し、出血している部位まで上手に誘導して接着剤や金属製コイルによって止血を行います。合併症も少なく比較的安全な治療方法ですが、熟練した専門医が必要なのでどの病院でもできる治療ではありません。
単純な止血目的の手術は滅多に行われることはありません。それでも胃がんなど腫瘍からの出血は内視鏡やカテーテル治療での止血が出来ないことも多く、手術で胃を切除してしまうなどの対応をせざるを得ない場合もあります。

参考:消化性潰瘍診療ガイドライン2020(改訂第3版)

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