内頸動脈狭窄症
どんな病気?
- 実は頚動脈には「内」頚動脈と「外」頚動脈があります。
- 内頚動脈は内側、つまり脳に行く血管。外頚動脈は外側、つまり顔面・頭皮などに行く血管です。
- 内頚動脈狭窄症とは、脳に行く大事な血管が狭くなる病気で、悪化すると脳梗塞を起こしやすくなります。
原因は?
- 動脈硬化が原因です。
- 内頚動脈は特に動脈硬化が起きやすい場所であり注意が必要です。
症状は?
- 基本的に無症状ですが、脳梗塞の前段階と言えます。
- 気づかないうちに進行し、ある日突然脳梗塞を発症することがあります。
*脳梗塞の症状は体の半分が麻痺する、片目が見えなくなるなど。
どんな検査があるの?
- 頚動脈エコー検査が最も簡便かつ非常に有用です。当院でも行うことが出来ます。
- CT検査
- MRI検査
- 血管造影検査 など
- 各種検査がありますが、内頚動脈の狭さを確認し治療が必要か判断します。
- 50~79歳の一般住民を対象としたある研究では男性の7.9% 、女性の1.3% もの方に頚動脈狭窄症が見つかりました。
治療は?
- いわゆる血液をサラサラにする薬の内服が基本。
- コレステロールを下げるお薬も脳卒中予防に有効。
- 血圧管理、血糖管理、禁煙、有酸素運動なども有効。
- 結局は、ほぼ生活習慣病対策です。
- 重度の場合には専門の医療機関へご紹介します。
- 処置を伴う治療としては「頚動脈内膜はく離術」「頚動脈ステント留置術」があります。前者は従来広く行われてきた治療です。最近ではカテーテルのみで治療が完了する後者が行われることも多くなりました。
参考
仙台医療センター医学雑誌 vol.10, 2020 頚部内頚動脈狭窄症
脳卒中の外科 48巻, 2020 頸動脈狭窄症の内科治療
この記事を執筆した人
金沢憲由
日本消化器病学会 消化器病専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医
日本肝臓学会 肝臓専門医
日本内科学会 総合内科専門医
日本消化管学会 胃腸科専門医
難病指定医
秋田大学出身
月間400件以上の内視鏡検査を行なう。
丁寧でわかりやすい医療の提供を志す。
人間ドックによる予防医療にも注力している。