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逆流性食道炎(胃食道逆流症)

どんな病気?

  • 胃酸や腸液が食道に逆流した結果、食道粘膜がただれてしまう病気です。
  • 医学的に正確に表現しますと、食道粘膜がただれる「逆流性食道炎」と、胸やけなどの症状のみで胃カメラで異常のない「非びらん性逆流症」に分かれます。
  • おおよそ全人口の10%くらいの方が「逆流性食道炎」を持っていると言われています。
  • 一方で胸やけなどの症状を持っている方は17.7%とも報告されており、胃カメラでは発見できない「非びらん性逆流症」も相当数隠れている計算になります。

原因は?

  • 激しい運動
  • 脂肪摂取増加
  • 食べすぎ・飲みすぎ
  • 肥満
  • 骨粗しょう症に伴う背骨の丸み
  • 一部の降圧剤
  • 食道裂孔(れっこう)ヘルニア
  • 食道運動障害

原因は多岐にわたっておりどれか一つという訳ではありません。食べすぎ、脂肪分の摂りすぎ、肥満などはイメージしやすい所でしょうか?
他にも激しい運動(適度な運動はむしろ良い方向に働きます)、背中が丸くなることによる腹圧上昇、意外なところでは一部の降圧剤も原因になります。これは食道を締め付ける筋肉を緩める作用が起こることによります。
また体の構造的な部分では「食道裂孔(れっこう)ヘルニア」と言って食道と胃のつなぎ目が緩くなることや、食道の蠕動(ぜんどう)運動に異常がある場合に逆流性食道炎は起きやすくなります。

症状は?

  • 胸やけ
  • 呑酸
  • 胸痛
  • 出血
  • 狭窄(きょうさく、食道が狭くなること)
  • 喉頭炎
  • 咳、喘息
  • 不眠
  • 酸蝕症(さんしょくしょう、歯が溶ける)
  • 食道がんの発生

2大症状としては、胸やけ(胸が焼けるような感覚)、呑酸(胃酸が口まで逆流し酸っぱい味がする感覚)が有名です。
その他には胸痛、のどの痛み、稀なところだと出血や狭窄(きょうさく)を起こすことがあります。怖いところで言うと何年も逆流性食道炎を放置すると稀に食道がんが発生することもあります。
加えて、実は慢性的な咳や喘息の原因にもなることもあるのです。治りづらい咳や喘息でお悩みの方は一度逆流性食道炎の可能性も考えても良いかも知れません。
また夜間に逆流症状を起こすことで不眠症などの睡眠障害を起こすこともあります。
*胃カメラで逆流性食道炎自体はよく見られますが、実は無症状の方も大勢おります。

どんな検査があるの?

胸やけなどの典型的な症状があれば逆流性食道炎のことが多く、それだけで診断、投薬治療されることも多くあります。ただし、症状だけで過信してしまうと怖い病気が潜んでいることがあるため充分に注意する必要があります。一番心配すべきはやはり食道がんです。食道がんも同じような症状を起こすことが多々あるため、当院では投薬治療前に胃カメラをお勧めしております。

治療は?

  • 生活習慣の改善
  • 胃酸分泌抑制薬
  • 消化管運動機能改善薬
  • 漢方
  • 外科的治療

治療の最大の目的は「生活の質の改善」と「合併症の予防」です。特に一番怖い合併症は食道がんの発生です。
そこでまず行うべきは生活習慣の改善になります。
具体的には肥満なら減量する、喫煙者なら禁煙する、遅い夕食は避ける、就寝時には頭を少し高くして寝る、脂肪食を控える、などが効果的です。脂肪食は食道の一番下にある筋肉を緩ませることで逆流を起こしやすくしてしまうのです。
同時に「ネキシウム」や「タケキャブ」といったような胃酸分泌抑制薬を用います。
胃酸はpH1-2という強酸です。胃粘膜は特殊な粘液で自身を守っているためダメージを受けませんが、食道にはそういったものがありませんので簡単に傷ついてしまうのです。胃酸の分泌を抑えpHが中性に近づくことで、胃酸の逆流があったとしても食道が傷つきにくくなると考えられます。
一方、これらの治療がうまくいかない場合には外科的治療を検討することになります。
具体的な状況としては①症状が改善しない。②症状は良くなっているものの長期継続的に内服治療が必要。③逆流症を原因とした咳や喘息がある。などの場合です。
一般的な手術は腹腔鏡を使用して食道と胃のつなぎ目を締め付ける方法です(腹腔鏡下逆流防止手術)。小さな傷が数か所だけで済みますので術後は回復も早く傷も目立ちません。

参考:胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021(改訂第3版)

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