前立腺肥大症
どんな病気?
- 前立腺は男性のみに存在する臓器で、膀胱を出てすぐの場所にあります。
- 前立腺肥大症は、その名の通り前立腺が腫れる(肥大する)ことによって、下に述べるような排尿に関する様々な症状を引き起こす病気です。
原因は?
- 最も重要な原因は加齢
- 前立腺肥大症を持っている人は50歳代で2%、60歳代で6%、70歳代で12%とも言われており、年齢を重ねるごとに明らかに増えていきます。
- 遺伝的な要因、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常症(高脂血症)などとの関連も指摘されています。
症状は?
- 一番多い症状は夜間頻尿。不眠にも直結し、生活の質を大きく落とす原因にもなります。
- 日中の頻尿、残尿感、尿の勢いの低下、尿意切迫感(漏れそうな感覚)、尿失禁なども良くある症状です。
どんな検査があるの?
- 症状などから前立腺肥大症を疑われた場合でも、他の病気が隠れていないか調べることが重要です。
- 超音波検査(エコー検査)・・・前立腺の形や大きさを直接観察することが出来るので、実際に前立腺が腫れているか、がんが隠れていないかなどを調べるのに非常に有用です。
- 尿検査・・・膀胱炎や、膀胱がん・尿路結石などを疑う兆候がないか確認します。
- 血液検査・・・前立腺がんマーカーであるPSAを測定します。
治療は?
- 症状が軽いなどの場合は無治療で経過観察可能。
- 症状でお困りの方には内服治療を行います。様々な種類の薬剤があるため効果や副作用などを注意深く観察しながら治療を行っていきます。
- 内服治療で十分な効果が得られなかった場合や症状が重い場合などでは適切な専門医療機関へご紹介します。
- 「経尿道的前立腺切除術」と言って、尿道から挿入した内視鏡で余分に腫れた前立腺を削り取ることで尿の流れを確保する手術などが検討されます。
参考
男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン